2年前に独立してからありがたいことに2020年、2021年度と共に年間売上は当初の個人目標を達成した状況にある。
しかし当たり前の事だが事業主になると会社員とは違う面倒ごとが増えるわけだが、私にとってその最たるものが税金のことであった。
（元来そういった細かい事にはズボラな性格なのだ。）
しかし自身の過去を省みてみると、こうした面倒ごとから目を背け敬遠し無関心のままに生きてきたわけであり、この「無関心」は自身の知識獲得の機会損失に他ならず、これは私自身に「無知」という不利益として降りかかってくるのだと再認識し、にわかに危機感を覚えた次第である。
そういった意味で20代のうちに独立したことは、この今後継続的に降り続ける不利益の雨から脱する脚がけになったと都合よく解釈している。
（本来まともに考えることのなかった物事について（強制的にではあるが）考えることになったため。）
さて、では今回なぜ消費税について調べてみたくなったのかというと、冒頭で述べた目標達成が発端であった。
それはつい先日、国税局から届いた手紙で、
「課税売上高が1,000万円を超える事業者は消費税課税事業者となります。
該当する場合は届出書を出してください。」
という内容であった。
消費税課税事業者という聞き馴染みのないワードと、「消費税」、「課税」、「事業者」という言葉の組合せが
自分の中で咀嚼できず、困惑させられた。
というわけで、そもそも消費税とはなんぞや？ということについて考えてみた。
なんとなく消費税というのは預かり金であり、100円の物を110円で買って10円を事業者に預けて事業者に税金として納めてもらうように捉えられている。
しかしこれは誤りであり、政府はそう「誤認」させるためのイメージ付けを行なってきたのであった。
我々はなんとなく「みんなが少しずつ負担しているから」、「社会保障の財源として仕方ない」と思い込まされてきたのである。
実際には事業者が物を売る際の価格は自由に設定することができ、その価格の10%にあたる額を納税するということである。
価格は基本的には需要と供給で決まり、力の弱い事業者は価格競争によって利益を下げ、その上に消費税がかかるため死活問題である。
さて、消費税課税事業者にかかる消費税の計算方は以下である。
(課税売上 - 仕入れ等経費) × 消費税
経費を増やすほど納税額が下がることは想像に難くないが、注目すべきは以下の式もこれと等価になるということである。
(人件費 ＋ 純利益) × 消費税
つまり、消費納税額は人件費を削ると節税になってしまうのである。
これにより派遣労働者や業務委託といった非正規雇用化が進み、現代の社会問題となっている。
（私のように自ら望んで個人事業をしてる者にとっては仕事が見つかり易いということでもあるのだが、望まずして非正規雇用となる人は減らさなければならない。）
非正規雇用の場合も消費税を払っていることになる気がするが、先ほどの通り価格は自由設定であり、消費税がかかっている前提で計算しているだけなのだ。
そもそも「消費税」というのは誤訳である。実態は「付加価値税(value-added tax)」という概念であり、「付加価値」というのは「人件費」に他ならないということは先ほどの式から明らかである。
この「付加価値」に税金をかけるというのは経済にとって悪影響を及ぼしていることは言うまでもない。(付加価値の合計はGDPそのものなので)
この30年間日本だけがデフレ続きであり、経済成長(=GDP成長)をしていない先進国なのである。
これは政策が間違ってきたからという他に理由はなく、これまでの緊縮財政的思想から積極財政的思想への打開が必要である。
（これは今回の岸田内閣が打ち出した目標(すぐ消えてしまったが)でもあるため、期待を込めて注視していかなければならない。）
GDPの底上げにより需要を増やし、供給を増やしていく(=国力の向上)政策が必要であり、それが消費税問題と直結しているのである。
まとめ
色々調べてみると、消費税というのは人件費(=給料)を下げる圧力と物価を上げる圧力両方を持ち合わせている悪税であるということがわかった。
日本の経済成長を考える上で、消費税の議論をないがしろにすることは有り得ないし、減税・廃止を積極的に考えなければならない。（増税が愚の骨頂であることは言うまでもない）
上で「自ら望んで個人事業をしている」と述べたが、もしかすると自ら望んだというより、このマネー主義的社会の中で個人の価値を薄め、自由を奪う大きな流れに対する自己防衛として導き出した妥協解であったのかもしれない。
