地球温暖化や環境問題から、マイナスイオン、健康・ダイエット法など、現代では私たちの身近に様々なフェイクが浸透しています。
そしてこうしたフェイクは、曲解した科学論文や科学用語などを用いて世の中に広められます。
科学のような専門性の高い分野において、私たちが専門知識なしにその真偽を判断するのは至難です。
では専門知識のない私たちはどのようにして世の中に蔓延るフェイクサイエンスを見抜けば良いのでしょうか。
今回は、このようなフェイクに惑わされない思考方法について考察してみたいと思います。
1. 「正しい」とはなにか
現代社会において私たちはTVやSNSなど、あらゆるメディアから常に情報を仕入れています。
そんな情報過多な世において、その情報の真偽をいちいち判断するのは大変で、
多くの人はその情報発信元の信頼性から、無条件に信頼してしまっているのが現実だと思います。
しかしながら、この信頼性は日々確かな情報を発信してきたからこそ確立したものであり、多くの場合はそれで何の問題もないでしょう。
しかし注意しなければならないのは、
それらの信頼性の高いメディアこそ、プロパガンダ(政治的な宣伝)に使われると多大な影響を世に与えてしまうということです。
そして過去を振り返ってみると、そのような例は枚挙にいとまがありません。(後述)
では、正しい・正しくないという判断はどのように行えばよいのでしょうか。
自然科学の考え方の鉄則として、(自然の)観察 → 仮説 → 実証というものがあります。
自然を観察して得られた情報は「事実」であり、疑う余地がありません。
そしてこの事実がどうして得られたのか、あれこれ仮説を立てます。
これらの仮説は実証されるまではどれも正しくありません。
少なくとも科学の世界では、実証されて初めて正しいと決定することができるのです。
ただし、日常においては自分で実証することは難しいです。
そのため観察による事実を事実として素直に受け入れて、そこから推測して自分の仮説を立てていくしかありません。
2. 権威付けによるウソ
私たちの身の回りにも多くの嘘が潜んでいます。健康品、美容品、水素水やダイエット法などキリがありません。
中でも、マイナスイオンなるものが体に良いと、様々なマイナスイオン製品が流行し始めたのは私が小中学生の頃でした。
ブレスレットに始まり、ドライヤーやエアコンといったあらゆる製品にマイナスイオンの表記がつきました。
言わずもがなですが、もちろんこれらは全て消費者騙しの嘘です。(多少の知識があればウソだということは明白です。)
消費者騙しが成功したために、現在でもこれらが派生してプラズマクラスターだの、ナノイーだのと吹聴して残っています。
日本を代表する巨大企業までもがこのような消費者騙しを堂々と繰り広げてきたのはいささか悲しいことです。
こうした商品は、「消費者はバカである」という思想のもとに生まれることを忘れてはいけません。
しかし厄介なことに、このような嘘にくみする学者がいます。
消費者を騙したい企業が大学などの研究機関に依頼し、
効果があるという研究をでっち上げ、「東京大学 ○○教授監修」のような権威付けを行うのです。
もちろんこれらの研究はツッコミどころ満載で、科学と呼べるような代物ではありません。
3. 学術論文によるウソ
一企業が自社製品を売るための消費者騙しだけではありません。
政府や財閥のような非常に大きな勢力によって大々的に行われる嘘にも、科学が使われることがあります。
過去の疫病・感染病、地球温暖化、脱炭素・脱プラスチックなど多くの例があります。
これらの問題がでっち上げられる際にはいつもこれらに関する論文がメディアや専門雑誌を埋め尽くします。
なぜこのような現象が起こるのかというと、ここに大きな問題があります。
大学の研究室というのは企業や国から研究費をもらって運営しています。
ラボに所属する研究員の生活もかかっており、どうしてもお金がもらえる研究をしなければなりません。
お金を出す側が、「CO2が地球温暖化の原因であることを裏付ける研究」をしろと言えば、
皆でそれを研究し、多くの論文が生まれるということです。
実際のところ、多くの学者はCO2が地球温暖化の原因だとは思っていませんし、そもそも地球温暖化などしていないと考えています。
(むしろ寒冷化を問題視しています)
さらに
これらの論文を権威ある雑誌に掲載したり、ノーベル賞を与えたりすれば一気にデファクトスタンダードになってしまいます。
あるいは有名大学やノーベル賞受賞者のような影響力の大きい機関に優先的に費用を支払えば、影響された研究者がそれに追従し、
それが常識(多数派)になってしまい、逆の意見を言うと「何を今更」と白い目で見られる構図が出来上がります。
(というより逆意見にはもちろん予算がおりません。)
しかし、科学というなら逆意見が非常に多いのに、無理やり一方を正しいことにするのは間違いです。
(こうした虚構によりレジ袋有料化という愚策が出来上がりました。政治は民意ではないことを体現しています。)
4. メディアによるウソ
上記のような虚構をあらゆるメディアを利用してしきりに報道すると、
いかにもこれらが大変な社会問題かのように人々を洗脳してしまいます。
哀しいかな、普通の人はテレビのことを微塵も疑っておらず、素直に信じてしまいます。
こうした番組ではその嘘に加担する専門家や評論家が善人のような顔で出演しひょうひょうと嘘を述べたり、
逆意見を言って急に番組をクビになった出演者もいました。
今では、メディアの嘘も偏向報道も疑いようのないほど露骨になってしまいました。
民放では番組のスポンサーやテレビ局の出資者がいるため、これは当然と言えるでしょう。
しかし、そのようなスポンサーがいないはずの国営放送でさえあからさまな嘘を報道しているのがわかったと思います。
つまり報道圧力を与えているのが民間企業のような小さな力ではないということです。
本来ならあらゆる意見を聞いた上で、自分で最も納得のいく意見を取り入れたいはずです。
一方の意見しか報道しないのは、嘘をついているのと何ら変わりありません。
それどころかSNS等のネット上の情報でさえも一方の情報が強制的に削除され、規制される世の中になってしまいました。
これは戦時下の検閲と全く同じものです。
しかし振り返ってみると、ずっと以前(おそらくできた当初)からメディアはこのように政治的先導に使われてきたのでした。
さいごに
昨年はまさにフェイクサイエンスとメディア洗脳のオンパレードでした。そしてまだまだ続くでしょう。
こんな世の中だからこそ、私たちは事実(自然)のみを信じ、そこから自分の考えを見つける必要があります。
専門家も大衆意見も(もちろんこの記事も)信用せず、事実のみを信じ、一人一人が自分の意見を強固なものにしていくことを願っています。
情報は与えられるものではなく、能動的に探しに行く必要があります。与えられる情報はねじ曲げられているのですから。